今週の注目5社:EC即時返品Saas / VR広告 / スマートビデオチャット / インスタントコーヒーEC / 介護マーケットプレイス

October 20, 2016 今週の注目スタートアップ

今週も一週間の資金調達およびM&Aのニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。

1.「EC即時返品Saas」Returnly

2016-10-1902

[Saas/コマース] Returnly
Seed VC ($3.2M) Alma Mundi Fund, Ariel Poler, FJ Labs, Index Ventures and SV Angel

ECサイト向け「返品処理の高速化」ソリューション。

通常、ECサイトにおける返品処理にはトータル21日程度、ユーザへの返金には8日程度かかっている。Returnlyを導入すると、ユーザは商品を返品したいと思った時に、サイトの返品ボタンを押すだけで、そのサイトでのみ使えるクレジットをもらい、すぐに商品を購入することができる。ECサイト側は、返品処理を高速化し、かつ自分のお店だけで使えるクレジットを発行できるというメリットがある。

米国では、ECで販売された商品の約30%が返品される。Returnlyは、現在100以上のECサイトで利用されているという。ビジネスモデルは、月額の利用料およびクレジットで商品が売れた場合の手数料となっている。

2.「VR広告」OmniVirt

2016-10-1904

[Marketing/VR] OmniVirt
Series A (N/A) Greycroft Partners, Index Ventures, InVent and The Venture Reality

「VR広告」のプラットフォーム。

モバイルのブラウザ上で表示できる360度広告のソリューションを提供している。現在は、VICE、AOL、Wall Street Journal、Twitterなどのパブリッシャーが対応している。例えば、自動車メーカーなどが簡単に360度動画の広告を制作、展開することができる。ユーザは、追加で何らかのダウンロードやハードが必要ない。静止画のクリック率0.3%台に対して、約10倍程度のクリック率を実現しているという。

また、広告だけでなく、パブリッシャーが360度コンテンツを制作する支援もしていくという。すでにホンダやRedBullなどが利用している。

3.「スマートビデオチャット」Tribe

2016-10-1903

[App/コミュニケーション] Tribe
Seed VC ($3M) Kima Ventures, Ludlow Ventures, Partech Ventures and Sequoia Capital

「会話を理解する」スマート動画チャットアプリ。

FaceTimeなどのようなライブチャットではなく、SMSのように15秒以下の動画メッセージをやりとりする動画チャットアプリ。トランシーバー的にやりとりする。今回発表した新機能「Magic Words」では、作成者が喋った言葉を自動的に認識し、それに関連する情報を動画上に表示する。例えば、有名人の名前を喋るとそれを認識して、Wikipediaのリンクが画面に表示されるなど。そのほかにも天気や場所などの関連情報を表示できる。受け取った相手が位置情報からUBERを予約したりできるので、待ち合わせなどに使って欲しいと考えている。

San Franciscoに本社があり、社員は9人。まだ広告などは全く入っておらず、将来的にアフィリエイトなどでのマネタイズを考えている。

4.「インスタントコーヒーEC」Sudden Coffee

2016-10-1901

[Commerce/フード] Sudden Coffee
Seed VC – II ($2.36M) Founder Collective

「プレミアムインスタントコーヒー」のサブスクリプションサービス。

二度世界バリスタ選手権で優勝しているバリスタが創業。通常のインスタントコーヒーは温度管理がずさんなため品質が悪いものが多いが、Sudden Coffeeでは、フリーズドライ技術により、味や品質を保った状態でプラスティックのチューブに入れて届けている。月額$24で毎月8杯分のインスタントコーヒーが自宅に届く。

インスタントコーヒー自体は1700年代からあるもので、現在の世界のCoffee消費の34%を占めているという。

5.「介護マーケットプレイス」Kindly Care

2016-10-1905

[App/Care] Kindly Care
Seed VC – III ($2.75M) Floodgate, Jackson Square Ventures and MHS Capital

「厳選された介護士」のマーケットプレイス。

米国においても高齢者介護サービスはまだ万人に行き渡っているわけではなく、月に$5,000以上かかる高額なサービスとなっている。Kindly Careは、介護士とケアマネージャーを結びつけるマーケットプレイス。従来からあるサービスとの違いは、一人一人の介護士を独自に評価し、採用をしているということ。また、特徴がよくわかるように、なぜ介護士になったか、どんなアドバイスをしているか、どんなお客さんの経験があるかなどの紹介ビデオを作成している。また、マネージャー側の機能も充実しており、介護士の時間管理、給与・税金の自動支払い機能などが用意されている。

現在は、カリフォルニアおよびテキサスで5,000人の介護士が登録しているという。今後他の州にも展開をしていくという。

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