今週の注目5社:一週間分食事デリバリー / サイズ提案AI / データSNS / アメフト戦略VR / 無料プログラミングスクール
今週も一週間の資金調達のニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。
1.「一週間分食事デリバリー」Freshly
[Commerce/食事] Freshly
Series B ($21M) Highland Capital Partners, Insight Venture Partners and White Star Capital
「一週間分の食事をまとめてデリバリー」してくれるヘルシーミールサービス。
最近急増している一般的なミールデリバリーサービスとは異なり、一週間単位で食事を届けてくれるサービス。欲しい時に食事をデリバリーしてくれる「オンデマンド」デリバリーサービスが増えているが、本当のオンデマンドは欲しい時にすぐに食べられるサービスという発想で一週間分まとめての配送を行っているという。一食あたり$11からで、30種類程度のメニューから選択ができる。調理は不要で、電子レンジであたためるだけですぐに食べることができる。今後ベジタリアンメニューなども追加していくという。
現在、毎月25万食を全米28州で配送している。今回の資金を得て、展開地域の拡大(50州)、メニューの拡大などを行っていくという。
2.「サイズ提案AI」TrueFit
[Saas/ファッション] True Fit
Series B ($25M) Intel Capital, Jump Capital and Signal Peak Ventures
オンラインショッピングで「ユーザにあったサイズを提案」するAIプラットフォーム。
靴や洋服などをオンラインで購入する際に最大の障壁となるのが「サイズ選び」。1万以上のブランドや小売パートナーから、数百万のデザインパターンデータを収集し、ブランド間でのサイズの違いをデータ化。また2000万人ものユーザの体型データも保有しており、AIを活用することで、オンラインで洋服を購入する際に、すでに持っている洋服のサイズなどから最適な服のサイズを提案することができる。
Nordstrom、Macy’s、Kate Spadeなどの大手小売、ブランドと提携している。ECサイトにとっては、約5%程度売上の向上に寄与しているという。
3.「データSNS」Data.World
[Saas/データ] Data.World
Series A ($14M) Capital Factory, Floodgate, Homebrew, Rothenberg Ventures and Shasta Ventures
データサイエンティストが「データを共有しつながるソーシャルメディア」。
登録は無料で、自分のプロフォールを持ち、Facebook同様のFeedがある。様々な「データ」も登録されており、ユーザはそれを検索、コピー、分析、ダウンロードができる。現在、データサイエンティストは80%以上の時間をデータの整理(キーとなるフィールドの発見など)に費やしていると言われている。データを一箇所に統合することで、その活用が進むことを狙っている。
すでにパブリックな1,000以上のデータが登録されている。ジカ熱、エボラなど新しい疾病が発生したときに、政府が解析データを公開し、迅速に解決策を見つける場となるというような活用を狙っている。
4.「アメフト戦略VR」Radd3
[Content/VR] Radd3
Series A ($2.2M) HTC and Presence Capital
アメフトチーム向け戦略トレーニング用VRシステム。
これまで紙が中心であったNFLのPlaybook(戦略メモ)を全てVR化し、選手が高精細な映像を見ながらトレーニングができる仕組み。これまでも同様のシステムは存在したが、Radd3は既存のPlaybookをそのまま活用することができ、一週間という短い時間で全てのNFLのPlaybookを登録したという。
まずはNFLとNCAA向けにローンチし、今秋高校向けをローンチ予定。コーチがその場で新しい戦略を作ることができるタブレットアプリも提供している。
5.「無料プログラミングスクール」Codeacademy
[Service/教育] Codecademy
Series C ($30M) Index Ventures, Naspers, Richard Branson and Union Square Ventures
オンラインプログラミングスクール。
基本無料で、HTML/CSS, Javascript, Python, Ruby, PHPなど様々なプログラミング言語がオンラインで学べる。現在は、1600万人の登録ユーザがおり、その半数以上は米国外のユーザ。月額$20のプロ版では、個人でのメンタリングやテストなどが受けられる。将来的には、全くの素人からエンジニアを育て、人材紹介をするところでマネタイズする予定。
今回は南アフリカのNaspersから$30Mを調達。海外展開の強化、モバイル対応などを行っていくという。