今週の注目5社:ルワンダ薬配達ドローン / オンデマンドパーキング / ユニバーサル患者ID / 広告AI / Chatbot App

April 11, 2016 今週の注目スタートアップ

今週も一週間の資金調達のニュースから、面白いシリコンバレーのスタートアップを5つピックアップして紹介します。

1.「ルワンダ薬配達ドローン」Zipline

041101[HW/ドローン] Zipline International
Series B ($18M) AME Cloud Ventures, Google Ventures, Paul Allen and Sequoia Capital

 途上国で「薬やワクチンなどを配達するドローン」。
まずは、東アフリカの国、ルワンダ(人口1200万人)の政府とのパートナーシップにより、今夏よりルワンダの20の病院へ薬、ワクチン、血液を運ぶ。通常のドローンとは異なり、飛行機のような形をしており、「パチンコ」の要領で飛びたつ。薬などの荷物は、パラシュートで安全に落とされる。
5年前の設立からこれまではステルスで開発が行われていたため情報は少ないが、将来的には、薬にとどまらず「国際的なドローン物流ネットワークを構築する」ことを目標としているという。

2.「オンデマンドパーキング」Luxe

041103[Commerce/パーキング] Luxe
Series B ($50M) Hertz Global Holdings, Redpoint Ventures and Venrock

 街で車を停める時に、自分で駐車場を探すのではなく、スマホから「代わりに駐車場に停めてくれる人を呼べる」サービス。

Luxeは、この「オンデマンドパーキング」サービス業界のリーダーと呼べる存在で、今回、レンタカー大手のHertzから$50Mを調達し、HertzのCEOのJohn Tague (元 Unted Airline社長)が取締役に就任した。現在は、San Francisco, Los Angels, New York, Austin, Chicago, Seattleの6都市に展開をしているが、今回調達した資金は、他の都市への展開へ使うという。

オンデマンドパーキングの業界は、順風満帆というわけではなく、BMWから出資を受けたライバルのZirxはすでにピボットし、「企業向けサービス」に特化をしている。一方で、レンターカー業界も、UBERなど「駐車場の心配をしなくてよいサービスとの競争」にさらされており、今回両者の思惑が一致し、Hertzの出資が実現したと見られている。

3.「ユニバーサル患者ID」CrossCHX

041105[HW/病院] CrossChx
Series C ($15M) Khosla Ventures, Moonshots Capital, NCT Ventures and Silicon Valley Bank

“Global Patient ID”という「病院を超えて運用される患者のID」を運用しているスタートアップ。
現在病院向けに「Queue」というチェックインシステムを提供している。タブレットから名前や電話番号などを入力し、簡単にチェックインできる。順番や待ち時間は、レストランのように院内のモニターに表示される。また、従来の病院では、初めて訪問する際毎回入力が必要であった、住所、薬のアレルギー、家族の既往歴などの情報もクラウドからすぐに引き出さられる。
すでに、1,000の病院で導入されており、5,000万人分のデータがすでに溜まっている。紙の患者データやカルテにより発生する患者の取り違いの防止や病院運営の効率化を目指している。

4.「広告AI」Persado

041104[Ad/AI] Persado
Series C ($30M) American Express Ventures, Bain Capital Ventures, Citi Ventures, Goldman Sachs and StarVest Partners

人工知能を活用することで「最適化されたマーケティングメッセージを自動生成」するプラットフォーム。

従来のようにマーケターがマーケティングメッセージを書くのではなく、100万に分類されたワードとフレーズのデータを元に、センチメント分析、メッセージ分析、感情分析などを加え、クライアントから渡されたメッセージを元に自動で生成、最適化していく。これまでクロスセル、アップセルなど4,000のキャンペーンを運用し、平均のコンバージョン率は49.5%を達成しているという。

社員は200名。Amex、CitiなどのCVCから投資を受けている。

5.「Chatbot App」Luka

041102[App/Message] Luka
Series A ($4.42M) Justin Waldron, Ludlow Ventures, Sherpa Capital and Y Combinator

「AIを活用したメッセージ」アプリ。

当初は、「Yelp対抗」として、グルメに特化し、オススメのレストランを聞いたり、予約ができるレストランをBotが探してくれるアプリとしてスタートした。今回、グルメ以外に、天気予報、ニュース、画像検索、ゲームなどのBotも加わり、様々な質問を理解し、回答できるよう生まれ変わった。

実際は、まだBotを使うユーザはそれほど多くないため、表現がナチュラルな表現になるようにするなどの工夫を加えているという。

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